元裁判官・瀬木比呂志氏著、小説「黒い巨塔」

 「黒い巨塔」が刊行されたそうです。
 小説ですよ(* ´ ▽ ` *) 

【追記:鳥取県立図書館が本書を発注済み。私は2番目に予約しました。年末年始には間に合わない、来年の”読み初め”は「黒い巨塔」で(* ´ ▽ ` *)】

 ・元裁判官が赤裸々に暴露「この国の司法では良心を貫くと挫折する」 いびつな日本の権力構造

 小説を読まなくなって年月が経ちました。それが先日、平野啓一郎さんの「決壊」を読み始めた。
 平野啓一郎さんのFBを拝読しているので、何気なく図書館から借り出したのである。読む気がしなければそのまま返せばいいや位の気持ちだったのだが・・・、読んでます(*^_^*) 少女時代と違い、一気に読了は出来ない。でも、毎晩、読み耽る時間が長くなっていきます。興味をひかれたのはインターネットと実生活の交錯が書かれていること。
 
 小説「黒い巨塔」も読ーもーっと!

 『 戦後もなお裁判所の力は弱く、権力とのつばぜり合いの中で、政治の方を見るようになっていった。さらに、組織を強くするという名目のもと、本来、裁判所ではあるべきではないピラミッド型ヒエラルキーを強化した。そこで際限のない出世競争が行われているんです。

 アメリカでは法曹一元で裁判官に上下関係などありませんし、出世もない。最高裁判所の判事に、地方裁判所の判事が最敬礼するなんて日本だけ。上下関係は本来、あってはならないんですよ。』

 『――その結果、何が起こるのか。結末に本当に驚かされる、原発差し止め訴訟の統制とその暗い結末が描かれていきます。

 日本の権力構造の最大の問題は、客観性がないこと。原発行政とその差し止め訴訟を調べるとはっきりわかります。私は元裁判官ですから、中立的な立場から見ていったんですが、日本の原子力行政は確かにおかしい。

 これは本書にも出てきますが、原子力ムラでは、3つの前提が語られていたんですね。「30分以上の全電源喪失は続かない」「日本ではシヴィアアクシデントは起きない」「日本の原発の格納容器は壊れない」。

 これらの言明には何の根拠もないんです。そして実際に東日本大震災によって、福島原発の事故が起きてしまった。

 でも、この3つの言明について、日本を代表する原子力学者たちがお墨付きを与えていました。福島原発事故のあと、欧米人と話していて、何度も驚かれました。どうして専門家がそんなことを言ったのか、どうして人々はそれを信じてしまったのか、と。

 説明しようがないんです。そして今またしっかり精査せずに再稼働させようとしている。欧米なら絶対ありえないと言われました。』
 (注:原子力村の大橋弘忠  「格納容器は壊れない-プルトニウムは安全」

 『 権力というのは必ず腐敗するものなんです。そして、本来、司法というのは権力をチェックするのが役割です。人が支配するのではなく、憲法や法律が支配する仕組みにしないといけない。

 だから、個々の裁判官だけが悪いんじゃないんです。日本人はそういう問題の立て方をしがちですが、それは違う。「権力構造」に問題があるんです。いい人がいても、押し流されてしまう。基本的な構造こそがまず問題にされるべきなんです。』

 一人の人間が裁判官に任官して、日常的に何を感じ、どういう人間関係の中で仕事をしているかは、外部の人間には判りづらい。日本人社会は「人間関係の中で」ものを考える社会です。欧米とは異なる。

 小説の形式でなければ伝わらない事は多いですね。
 私も動物愛護活動現場を舞台にプチ小説書いてみよか?
 内部の人間でなければ分からないことが多々あるのは同じです。
 
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【美濃加茂市長冤罪事件】最高裁判所事務総局広報課「広報ハンドブック」

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 今回の名古屋高裁の対応を、山中理司弁護士が最高裁「広報ハンドブック」をひもときながら検証しています。
 ・山中理司氏HP「最高裁判所の広報ハンドブック

 FB「前田恒彦 -元特捜部主任検事のつぶやき-」で紹介されていました。ついでに前田氏の記事も転載しておきます。



 確かに僕の経験でも、裁判官や広報担当から直接もらったことはなく、事務方が書記官から内々でコピーをもらうか、幹部が検察担当の司法記者からもらったコピーを事務方に回す、というパターンでした。
 添付したリンク先は長文ですが、裁判所の広報に対する考え方やノウハウなどがよく分かるので、マスコミ関係者を含め、こうした問題に興味がある方は、是非ご一読を。
  ↓
 「要旨・骨子は、速報性が要求される報道機関の利用のために裁判部に特別に作成してもらったものであり、そのような報道機関以外に提供することは基本的に予定されていない」(最高裁判所事務総局広報課「広報ハンドブック」より



 「予定されていない」が「禁止されているわけでもない」。

 時間がないので今日はゆっくり拝読出来ませんが、ざっと読んだ限りでは、最高裁の「広報ハンドブック」は、今回のように弁護団がインターネットを介し、積極的に裁判経過を情報発信していく場合を全く想定せずに作成されていますね。
 そこが一つ問題であろうと思います。
 
 また続けます。

【美濃加茂市長冤罪事件】村山裁判長の意図ーマスコミだけに提供された判決要旨ー

「郷原信郎が斬る」 2016年11月30日付け
村山浩昭裁判長は、なぜ「自分の目と耳」を信じようとしないのか

『 今回の控訴審で、「マスコミには判決要旨を渡すのに、被告人・弁護人には渡さない」という村山裁判長のやり方は理解不能だ。私の知る限りでは、これまで、マスコミに判決要旨を配布する場合は、当事者の検察官・弁護人にも渡すのが通例だ。
 判決は口頭で言い渡せばよく、その後、正式な判決書ができたら、被告人・弁護人に判決謄本を交付する、ということになっているので、それまでは、書面は一切渡せないというのも、「法律上は」間違ってはいない。
 しかし、その判決書の完成は裁判所次第であって、いったい何日後にできるのかもわからない。

 マスコミに判決要旨を配布するという「便宜」は、法律に基づかない「便宜」であるが、マスコミにその「便宜」を図るのであれば、その程度の「便宜」は、被告人・弁護人に対しても提供するのが当然ではないか。
 ましてや、今回の事件は、単なる一私人ではなく、現職市長の事件である。逆転有罪判決が報じられれば、その内容如何では、市議会で市長に辞職を求める動きが出ることも考えられる。
 説明が不十分であれば、市長は追い込まれることになる。村山裁判長は、自分が出した逆転有罪判決で、市長が政治的に追い込まれるのを望んでいるのだろうか。 』

 村山裁判長が通例を破り、マスコミに提供した判決要旨を当事者に対しては断固、拒否したのにはそれなりの理由がある筈だ。その理由は法的根拠に基づくものではなく、きわめて個人的な見解に基づき権限を行使しただけの話だろう。権限の上にあぐらをかくような真似だ。みっともない。
 本件の場合、被告の社会的な立場を考慮すれば、マスコミに出すなら藤井市長にも出すのが良識というものである。
 郷原氏によれば、『このような状況の中、本日、藤井市長が、直接、名古屋高裁に出向き、マスコミに配布されている判決要旨を交付してもらえるよう要請した。この要請には、森弓子美濃加茂市議会議長も、市議会を代表して同行し、同じように、市議会にマスコミ配布の判決要旨を交付してもらいたいと依頼した。
 しかし、『(名古屋)高裁刑事2部の書記官は、「刑事2部(村山浩昭裁判長)としては、報道用の便宜供与として、マスコミには配布したが、当時者には渡さないという方針だ」との一点張り』で拒絶した。

 その”方針”って、マスコミに村山裁判長の一方的な見解を伝え(判決文要旨は60ページ以上もある大部なものである)、それに基づいた記事を先行させようという意図じゃないんですか?控訴審判決要旨を当事者に渡せば、当然、弁護団は判決要旨を分析し弱点を突いたコメントを出す。記者達は双方を睨みながら記事が書ける。
 フェアでない村山裁判長って自信のない方ですねW(`0`)W

 フェアでないといえば、村山裁判長は控訴審で虚偽供述をした中林を職権尋問したが、藤井市長は尋問していない。金銭授受があったとされる席に同席した第三者は、藤井市長と中林が二人きりになったことはないと証言しているが、その方の尋問もしていない。
 のみならず、『その証人尋問は、検察官には事前の打合せを控えさせ、証人自身の生の記憶に基づいて供述させることを目的に行われたのに、それが、事前に受刑中の中林に藤井事件の一審判決書等の資料が送られたという、「予期せぬ事態」が発生したために、裁判所の目論見が実現しなかったことは、村山裁判長が、判決でも認めているとおりである。』

 そして『村山裁判長は、自分の目と耳でしっかり確かめることができたはずの中林の控訴審での証言を信用性の判断の根拠とせず、直接接していない、事件記録で見るだけの証言・供述に基づいて、直接接した一審裁判官が「信用できない」と判断した中林の一審証言を「信用できる」としたのである。そして、中林の控訴審証人尋問の結果に関する弁護人の主張も完全に無視し、判決では全く触れることもなかった。』
 これはひどい!
 
 村山裁判長のやり方は批判されて然るべき。
 およそ普通の社会人の肌感覚、常識を逸脱している。
 書面上ではどうとでも出来、それが通るのであれば、妄想ブログの次元に近づく。

 司法は権威であって権力ではないはずだ。
 

【美濃加茂市長冤罪事件】納得できない逆転有罪の控訴審判決

 28日、美濃加茂市長冤罪事件の控訴審判決が出ました。
 ありえない逆転有罪。
 マスメディアや市議会、大勢の市民が参加した支援者の会の予想を裏切るものだった。

 ・控訴審逆転有罪判決の引き金となった”判決書差入れ事件”
 ・<美濃加茂市議会>藤井市長支援の声明 2審で逆転有罪受け
 ・逆転有罪の美濃加茂市長「高裁の判断と闘う」「政治家は誰にも会えなくなる」

 そもそも起訴するだけの証拠はなかった。
 あるのは典型的な詐欺師(表向きは会社社長)の虚偽証言。それにのっかった検察が贈収賄ストーリーを描き、”闇司法取引”で強引に事件に仕立て上げた。あってはならぬ事です。

 参照:#検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会 郷原弁護士の「贈賄供述者が、意図的な虚偽供述をしかねない人物であったのが今回の特徴。しかし、それが2年後ぐらいまでには導入されるであろう司法取引制度においては、自分が有利になりたいがための虚偽供述が制度的にできてしまう。」とのコメントが気になりました。まさか、この判決は日本版司法取引制度の欠点が露見した場合の模範になろうとしたのではないでしょうが...(市川)
 
 市長側は即日上告。
 参照:ツイッター「美濃加茂市長 藤井浩人」から
 『 冷静になった今、あらためて有り得ない判決だと確認しました。
 当事者の私の声を一言も聞かず、なんの根拠もないことを認め、詐欺師の証言、しかも一審での記録のみを採用したことに、怒りしか感じません。
 現金の授受は、事実無根です。
 私の腹を切って証明されるのであれば、直ぐにでも示したい。』

  『 到底納得のいかない控訴審判決。私には内容について市民の方々に説明する責任があります。
 議会からも少しでも早い説明をするようにとの言及がありました。
 しかしながら、『マスコミには配布した判決要旨』を、私たちには渡してもらえない。
 この裁判所の対応にも納得がいきません。』   

 裁判官が弁護団の精力的な情報発信に反感を持っていたとしか思えない。
 マスメディアに優先的に資料配布し、被告側の緻密な情報発信を遅らせる事によってタイムラグを発生させ、メディア報道が影響されることを防ぎたい下心があったのだとすれば、裁判資料配布を裁判官の恣意に任せてはいけないという結論が導き出される。
 良識からいってもおかしい。誰も納得しませんよ!
 
 
 先日、【ブレイブ 勇敢なる者 「えん罪弁護士」】 を見たが(残念ながら後半30分しか見る事が出来なかった)、ある痴漢冤罪事件で有罪判決が出た時、今村核弁護士が思わず法廷で「(裁判官は)馬鹿な人だ」とつぶやいたエピソードが語られていた。
 込み合うバスの中で、女生徒の後ろに立っていた被告は、リュックを前にかけ、左手で吊り輪を握り、右手で待ち合わせていた女性にメールを送信していた。痴漢行為があったとされる直前である。直後にバスが大きく揺れた。それらの事実はバス内の監視カメラの映像と発信記録で確認されている。
 バスが揺れた時、乗客達もバランスを崩し、被告が前にぶらさげていたリュックが女生徒に密着し、被告が体を立て直す動きに連動して上に押し上げたのだろう。つまり女生徒の勘違いだった。悪意があったとは思わない。起訴する前にちゃんと捜査し、状況が説明されれば、女生徒も自分の勘違いだったと気付き謝罪したかもしれない。

 本来、警察や検察がやるべき捜査をやっていなかった。そのため、今村弁護士が報酬に見合わない労力と時間をかけて緻密に無実を立証したのだが、裁判官は痴漢が絶対に出来なかったとは言えないとして、有罪判決を出したのである。
 不自然である。
 私が男性ならバスや電車の公共交通機関を利用するのが怖くなる話だ!

 『(裁判官は)バカな人だ』
 そう思わざるを得ない判例が1つ増える都度、司法は権威を喪失してゆき、一般市民の支持を失っていく。

 逆転有罪判決を受け市長側は即日、上告。
 最高裁が試される上告である。

 

続きを読む

「絶望の裁判所」と「希望の裁判所」

 日本裁判官ネットワーク編集「希望の裁判所~私たちはこう考える」が出版されました。

 どんな内容?
 県立図書館が発注してるかな?
 読んでみます。

 元判事の方々による司法の内部批判に対するリアクションで生まれた一冊だとすれば、「絶望の裁判所」の著者瀬木比呂志氏他のGJと言えますね(*´∀`人 ♪
 内部告発や批判が関係者を触発し、反応があったところで適正な社会的な議論が始まるのであれば歓迎できます。
 一般市民にとって、司法がほとんど無縁の存在のように隠れた存在でいるのは不健全です。
 司法関係者が頑張っているのなら、私達も是非、拝読しましょう。
 

刑事司法の歪み、ヤメ検と検察

 検察OBと検察の癒着は、これからますます表立った批判を受けるでしょう。

 こういう事件もありました。ヤメ検弁護士がクライアントを裏切る話です。
 『佐藤真言氏の著書『粉飾』で明らかになった「特捜OB大物弁護士」の正体

 刑事司法に馴れ合い談合を介入させるな!



容疑者妻連れ検事総長と面会 横浜弁護士会、検察出身弁護士を懲戒
カナロコ by 神奈川新聞 11月12日

 元最高検幹部の男性弁護士(80)が、担当する事件の容疑者の妻を連れて検察トップの検事総長らと面会し、公正な刑事処分に疑惑を抱かせたとして、所属する横浜弁護士会から戒告の懲戒処分を受けていたことが11日、分かった。

 日弁連の資料などによると、男性弁護士は2013年6月、強制わいせつ容疑で逮捕された男性容疑者の弁護人に就任。男性が勾留中、男性の妻とともに、事件を担当する検察官やその上司をはじめ、検事総長や検察幹部と面会した。懲戒理由は「元検察官のキャリアや人脈などを強く印象づけ、刑事処分の公正に対して疑惑を抱かせる行為を行った」としている。

 このほか、受任時に弁護士報酬の説明を十分にしなかった▽男性の意思を確認せずに「罪を認めて深く反省し」などとする誓約書を検察官に提出した▽弁護人辞任後に男性から弁護士報酬の返還請求をされた際、脅迫的な意味合いを持つ書面に署名した-なども懲戒理由とした。処分は7月8日付。

 男性弁護士は、札幌地検検事正や最高検総務部長などを歴任。退官後の05年に弁護士登録した。神奈川新聞社の取材に「(処分に)異議はあるが取材には回答できない」と話した。

 検事総長は最高検の長で検察トップ。検察庁法で、すべての検察庁の職員を指揮監督すると定められている。



【郷原信郎著「告発の正義」】告発をする時に考えたいこと

 郷原信郎著「告発の正義」は、告発とはなにか?と、改めて考え直すきっかけになります。

 私もサイトで複数の告発をしています。名誉毀損で告訴もされました。最近は、不起訴を勝ち取ればいいという受身な対応から、積極的な逆告訴へと対応を変えています。私の事件は世間の片隅でしょっちゅう起きている類の微細な事件ですが、告発を適正にしていく上で参考にしたい一冊です。

 本書の目次:
 第1章 「社会的事象としての告発」をめぐる構図
 (「告発」をめぐる状況変化と「ホイッスルブローワー」/ 雪印食品牛肉偽装事件におけるホイッスルブローワー ほか)
 第2章 「法律上の告発」の諸相
 (刑事訴訟法における告発に関する規定/ 「告発の正義」と「検察の正義」 ほか)
 第3章 「告発の正義」と「検察の正義」―対立の系譜
 (石油カルテル事件と検事総長の批判/ 「検察の正義」が公取委「告発の正義」に完全敗北 ほか)
 第4章 激変する「告発の正義」と「検察の正義」の関係(小沢公判で表面化した検審起訴議決への誘導/ 「検察の正義」さえ覆そうとする画策 ほか)
 第5章 美濃加茂市長事件における「告発の正義」(岐阜県美濃加茂市長の「事件」/ 現金授受を全面否認する市長に有力な裏付け ほか)

 また、インターネット上では様々な誹謗中傷や告発、バッシングが錯綜しています。
 告発と似非告発(単なる歪んだ悪意の産物)の見分け方はニーチェが参考になるでしょう(ー_ーゞ
 作家の平野 啓一郎氏のFBから転載します。

 ニーチェが批判する時の四箇条(『この人を見よ』手塚富雄訳)

「第一に、わたしは勝ち誇っているような事柄だけを攻撃する。」
「第二に、わたしはわたしの同盟者が見つかりそうもない事柄、
わたしが孤立し、わたしだけが危険にさらされるであろうような事柄だけを攻撃する。
わたしは、わたしを危険にさらさないような攻撃は、公の場において一度として行ったことがない。
これが、行動の正しさを判定するわたしの基準である。」
「第三に、わたしは決して個人を攻撃しない、個人をただ強力な拡大鏡のように利用するばかりである。」
「第四に、わたしは、個人的な不和の影などはいっさい帯びず、
いやな目にあったというような背後の因果関係がまったくない、そういう対象だけを攻撃する。」

"恨みを買うのも仕事のうち"?脅迫事件

 一般に私達は、司法関係者(検察、裁判所、弁護士等)は、反社勢力や、わけのわからぬ言動のチンピラ達からより良く守られていると思い込んでいる。犯罪を摘発し刑を宣告する司法関係者が脅迫に晒されては困るではないか?犯罪者の逆恨みが弁護士に向かうようでも社会制度の秩序が保たれない。で、なんとなく私たちは、司法関係者は犯罪者から特別に守られていると思いがちだが、先日、こんな報道があった。



判決直後、検察官に「殺す」=脅迫容疑で男逮捕―滋賀県警
2015/04/13 時事通信

 法廷で実刑判決を受けた直後、検察官を「7年後殺す」などと脅したとして、滋賀県警大津署は13日、脅迫容疑で大津市本丸町、無職西村満容疑者(37)を逮捕した。「知らん」と容疑を否認している。
 逮捕容疑は3月17日午前10時ごろ、大津地裁で、強制わいせつなどの罪で懲役7年の実刑判決を言い渡され退廷する際、公判を担当した大津地検の男性検察官(38)に「7年後覚えとけよ。殺したるからな」などと言って脅迫した疑い。

 同署によると、西村容疑者は1月28日、強制わいせつと銃刀法違反の疑いで逮捕され、追起訴分も含め四つの罪で起訴された。3月17日の判決後に控訴したが、今月10日ごろに取り下げ服役していた。検察官が同署に被害届を提出したという。



 報道を受け、元特捜部主任検事の前田恒彦氏が連載時事評論で事件を取り上げている。
 ・2015年04月17日 検事に対する殺人予告で逮捕 知られざる「お礼参り」の実態  
 それによると、検事に対する脅迫は、珍しいことではないらしい。



(抜粋) 今回のように検事が関係者から脅されるといった事態は、単に表に出てきていないだけで、実際には取調べ室や法廷などで時折見られる光景にほかならない。裁判官や弁護人も同様だ。

 私自身も、取調べ中、興奮した被疑者から机を何度も叩かれ、怒鳴り上げられたことがあるし、警察から送致された覚せい剤事件の捜査では、急に立ち上がった被疑者から机越しに襲われそうになったこともある。この時は、護送を担当する警察官が被疑者を羽交い締めにし、事なきを得た。

 公判でも、若い女性裁判官の「前に来なさい」という命令口調に激高した中年男性の被告人が、急に「なめんじゃねえぞ」などと言いながら証言台の椅子を抱え上げ、ひな壇に座る裁判官に向かって投げつけようとした場面に遭遇したことがある。護送担当の拘置所職員らが必死に飛びついて防御したが、それでも勢いで被告人の履いていたサンダルが脱げ、裁判官のところまで飛んでいったほどだった。

 逆に、示談が成立していない交通死亡事故などの裁判では、被害者にも落ち度があったなどと法廷で主張した弁護人が、閉廷後、興奮した遺族や被害者の友人、知人らから詰め寄られ、「お前もひき殺してやろうか」などと脅される場面があった。

 また、著名な組織暴力団の幹部を被告人とする裁判では、警察の捜査に協力した検察側証人の配下組員を弾劾すべく、反対尋問に立った弁護人が、この組員を指して暴力団関係者の最も嫌う「チンコロ」(密告者のこと)という隠語を使ったところ、「てめえのツラだけは絶対に忘れねえからな。出たら覚悟しとけよ」などと大声で怒鳴り上げる場面に遭遇したこともある。

 ただ、こうした場面では、基本的に相手の興奮が収まるまで黙っておく、というのが検事や裁判官、弁護人の取るべき態度とされる。
 人に感謝されるよりも恨まれることの方が圧倒的に多く、それもまた仕事のうち、というのが本分だし、相手も一時的に興奮しているだけであり、何か言い返したりすれば火に油を注ぐ結果となるからだ。

 特に検察では、「秋霜烈日」のバッジを付けた検事が、事もあろうに「関係者から脅されて恐ろしい」などと言い出すことは恥ずべき事態であり、何を言われても毅然とした態度を貫くべし、といった発想が根底にあるので、事件化されることなどないのが通常だ。
 その意味で、今回は非常に珍しいケースであることは間違いない。

 (中略)

  もっとも、2010年9月には実際に和歌山地検の庁舎1階で男性検事(当時40)が切り付けられる事件も起きており、検事に対する脅迫にナーバスとなり、厳しい態度で臨むのも理解できる。
 この時の犯人は、旅館の放火事件で全面否認のまま逮捕、起訴され、一審の和歌山地裁で懲役6年の実刑判決を受けた女性(現在服役中)の父親(当時82)だった。
 娘の量刑が重すぎると検察に恨みを抱いた父親は、地検1階の受付で女性の身内だと告げ、公判担当の男性検事との面談を求めた。その上で、この検事が受付近くの部屋で父親に対応していた際、いきなり刃物でその左腕を切りつけ、全治10日間のケガを負わせた。
 父親は駆けつけた警察官に逮捕された後、傷害罪と銃刀法違反で起訴され、懲役3年6か月の実刑判決を受けている。



 この最後の事件は何となく記憶にありますね。確かこの老父は娘さんに世話されていて、娘が刑務所に入ることは即ち老父の日常が回らなくなる。その危機感が動機だったように思います。
 検事ばかりじゃない、鳥取でも福祉担当者がカマで切りつけられる事件がありました。
 多頭飼育や不適正飼育を指導する立場の行政獣医さんも通報を受け、「あー!厄介な相手ですね。指導も・・・油に火を注ぐような事になりますから・・・火にガソリンをぶっかけるようなものです!!!」と口走ったりします。

 どの現場、職業もあるんですよねー、ストレスのタネが。
 生きる妄想・星広志の公文書偽造事件の裁判では、星の代理人が法廷外で新聞記者を恫喝する場面がありました。「なにぃ~、このクソ弁護士!何も知らんとぬかすねぇ!新聞社を訴えるならやってみろ!お前、完敗するぞ!」と思いましたですね。
 弁護士も安全圏ではありません。

 『恨まれるのも仕事のうち』とあるが、彼等も人間だから、改めて考えてみると大変ストレスの強い職業だなと思う。刑事司法の現場は、非日常的な空間ですからね。私も名誉毀損事件で、腹を立てて怒鳴ったりしました、最近は勝手が少し分かってきて、その時々に何をなすべきかが理解されると、怒鳴ることは少なくなりましたけど。
 正しく刑事司法を批判するのは、門外漢には中々難しい技です。ヤメ検とか元裁判官等の、刑事司法の現場にいた人でなければ起きた出来事を客観的に理解しにくい。刑事司法の世界に限ったことではないですが。

【刑事訴訟法等の一部を改正する法律案審議】司法取引制度導入の問題点

 以前から折に触れ参考にさせて頂いている、八田隆氏のブログ「蟷螂の斧になろうとも」から、
  ・#検察なう (480) 「法務委員会で審議される「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」(1)」 7/13/2015

 安保法制廃案運動の陰に隠れてしまいましたが、非常に重要な法案なので必読です。
 一般市民は、警察に犯罪を取り締まって欲しいと願う一方で、虚偽証言や当局による証拠改竄による冤罪発生を国家犯罪と認識しています。その国家犯罪は、検察警察の構造的諸問題から人為的に発生する場合が非常に多いのではないか?八田氏ブログに収録されているカテゴリー「冤罪ファイル 」は、検察が公訴に至るまでの段階で、いかに、無理に無理を重ねて強引な起訴に至り、司法がそれを追認し、無実の人が今現在も服役中の現実を示しています。
 冤罪は、いつ、誰の身にふりかかってもおかしくありません。富める者も貧しき者も、実直に瑕疵なく生きてきた市民も、社会の周縁者にも、社会的地位や経済力に関わりなく起きうる事なのです。冤罪事件は決して過去のものではない。

 7月1日実施の参考人招致における笹倉香奈参考人( 甲南大学法学部准教授)の意見陳述は興味深く、時間があればテープ起こししたいと思っています。既にテープ起こししているサイトがあれば、リンクしたいですね ♪。
 笹倉氏は2012年に米国ワシントン州の「イノセンス・プロジェクト」(冤罪救済機関)で冤罪調査に携わった経験から、今回の法改正で日本も導入しようとしている司法取引制度(「捜査・.公判協力型協議・合意制度」)が更なる虚偽供述を生み、冤罪を生む可能性を指摘しています。

 アメリカ型の司法取引制度を導入しようとしているにも拘わらず、法案審議の過程で米国司法取引制度の実態や現状の分析、検証が不十分で、しかも米国内の司法取引制度を巡るここ10年間の新たな議論に関しては全く触れていない。米国では、制度そのものが冤罪を生み、危険な制度であるという認識が高まっており、改革案や州政府レベルでの実際の改革が実施されている。
 モデルとなっている制度を実施している米国で実際に起きている問題点を全く見ないで、制度を導入すべきではないと、笹倉氏は結論づけていますが、合理的かつ良識的な判断で、万人を納得させる道理です。

 制度導入前の日本でも、検察の恣意的裁量で司法取引が行われ、無理筋起訴に及ぶ典型的な例が美濃加茂市長不当起訴事件です。一審で完全無罪判決が出たこの事件、なんと検察は”突っ張って”控訴した!控訴審は8月から。控訴審の成り行きに注目しながら、司法取引制度導入の是非を考えてみたいですね。
 藤井美濃加茂市長事件については、代理人の郷原信郎弁護士のサイト参照のこと。

 私も自分の個人的な経験を付け足したい事があるのですが、それは別記事にします。
 今週は少し忙しく、時間がゆっくり取れません。
プロフィール

チッチ

Author:チッチ
連絡先:℡:090-8609-3689(仲市) mail:anti_nuclear2011311@yahoo.co.jp
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