新潮のピースワンコ記事(2017年5月18日号)について③団体譲渡制度

 動物保護団体は不妊去勢手術を済ませて譲渡すべきだと、私も思う。
 それが国際標準である。

 ここからはPJが公開した「【お知らせ】『週刊新潮』5月10日発売号の記事について」を見ていこう。

 『1.広島県では動物愛護センターにおける安楽死が52件(2016年4月~12月)あることから、「殺処分ゼロ」が継続していないのではないか。』は、公開質問状や新潮の記事に対する正しい反論である。

 しかし何か歯切れが悪い印象が残る。
 PJは安楽死措置を活動方針として認めるとは明記していない。
 反論でも、『愛護センターの獣医師の診断により、「病気や怪我でもう助からない」として薬や注射で安楽死させる例があることは承知しています。』とだけ書いていて、広島県の方針には踏み込まないスタンスをとっているかのような書き方をしている。PJ独自の方針は語られていない。

 しかし、PJの活動方針「殺処分ゼロ達成」に障害となる”個体チェック”については踏み込んでいるのである。自治体は、個体を譲渡可能な対象と攻撃性が強い等の理由で致死処分対象とに分ける。殺処分ゼロが達成出来ない理由の一つである。
 広島県動物愛護センターではそのチェック機能が働いていない。

 公開質問状を出した日向さんが、昨年その点について問いただすと、センターは”全頭、譲渡可能な個体だった” と回答した。無論、日向さんはあり得ないと思い、不誠実な対応に怒った。
 先日私が同じ質問をすると同じ回答が返ってきた。私があっさりと「そりゃ嘘でしょう。誰も信じませんよ。それとも広島県はチェックしていないんですか?」と返したところ、職員さんは”少々お待ち下さい”と聞きに行き、「(問題のある個体も)終生飼養を条件に全頭PJさんに出しました。」と認めた。


 つまり広島県は、PJの「殺処分ゼロ達成」という活動方針に迎合して、咬傷事件を起こす可能性のある個体も民間に出したたのである。
 ここが一つ問題点であろうと思う。

 PJは『そのうえで私たちは、助かる可能性があるのにガス室を使って無差別に行われていた犬の殺処分をすべて止め、その状態のことを「殺処分ゼロ」と呼んでいます。』と書いている。
 PJが参入する以前は譲渡可能な個体も殺処分せざるを得なかったのだろう。
 しかし今はPJが”無差別に全頭引き出している”。これも問題だろう。
 PJ施設内で、あるいは里親さんの下で咬傷事件が発生すれば、”無差別にPJに全頭譲渡した”広島県にも責任がある。

 チェック機能は働かせるべきである。
 その上で譲渡可能な個体、獣医療ケア等によって譲渡可能な状態にもっていける個体を全てPJが引き取るのなら、それを止める事は出来ないが、不安は残る。

 良心的に選別して、難しい個体を終生飼養すれば毎年”在庫”は増える。ネグレクトの虐待が発生すれば、これを世論は許さない。寄付金離れが起きる。誤魔化したり虚偽を交えれば”詐欺師”呼ばわりされる。
 「殺処分ゼロ継続中」をキャッチコピーにしたのは、自分で自分の首をしめるような駆出しかたなのだ。
 広島県の収容頭数は減る見通しが今のところない。
 PJはキャッチコピーで既に8億以上の寄付金を集めてしまった。それに縛られて毎年、毎年、約千頭を引き取らなくてはならない状況に、自分で自分を追い込んでしまったのである。
 
 倉吉のアミティエさんは60頭目安、アークは300頭目安で運営している。
 収容頭数管理はアニマル・シェルター運営に必須であるのに、PJには欠落している。

 
『2.保護犬が増えすぎて「劣悪な」飼育環境に置かれているのではないか。数十人のスタッフで1000頭以上の犬を適切に飼育できるのか。』
 この点、PJは施設やスタッフを拡充中である事を考慮しなくてはならないが、事業展開のやり方に違和感はある。
 たとえば、PJは第一種にも登録しているが、毎年の実績報告はゼロである。つまり、実体がないのに登録をしている。予定も準備も何もないところで、取敢えず全部取っておこうという考えで登録したという。5年くらい前の事らしい。更新時期にかかるが、それをまた広島県は受理するのか?広島県ではそれ程、登録は軽いものなのか?まさかこのまま、事業の実体のないまま更新したりはしないでしょうね?

 現在の施設状況については、6月3日(土)の施設見学の後で記載する。
関連記事
スポンサーサイト

新潮のピースワンコ記事(2017年5月18日号)について②殺処分と安楽死措置

 「新潮のピースワンコ記事(2017年5月18日号)について①」の続きです。

2(124頁) 『東京と神奈川の30を超える動物愛護や福祉関係の団体から、公開質問状が出されていたのだ。』

 連署リストは私の知らない団体も多いが、(知る限りでは)団体というより個人グループで、組織立つだけの体力もない群小団体である。エンジェルズやサラ・ネットワーク等の札付き悪質愛護団体も混じっている。アニマル・シェルターを運営するには高齢すぎる主宰者の団体もいれば、とっくの昔に世の中の動きが理解出来ないでいる80過ぎの老人も連署している。
 クオリティーの低い”連名薯”の感は否めない。

 営利業の森茂樹氏@株式会社アルプは、山崎ヒロ氏が前回仕掛けた「緊急災害時動物救援本部」(現「ペット災害対策推進協会」)バッシングにも参加していた。アルプは「動物との共生を考える連絡会」の構成団体の一つであり、当時内部で”連絡会として本部に意見すべき”と主張して却下されたそうだ。森氏は義捐金配分には反対していた。

 本部に対する不当提訴の仕掛け人山崎ヒロ氏は、訴訟提起の前段で事実関係を無視した中傷キャンペーンを煽動していたが、本部関係者に繰り返し自説を主張し、本部から金を引き出そうとして”胡散臭く”思われていた。
 事実かどうかしらないが、山崎氏はスペイ・クリニックの経営に行き詰まって、不当提訴に及んだと解釈している保護活動関係者もいる。事業展開が思うようにいかない不満を感じさせる人ではありますね。
 関西方面で山崎氏の評判は芳しくない。彼の活動は不妊去勢手術の予後が悪いという話が定着している。もっとも事実関係ははっきりしない。誰かが口コミで中傷を流布させた可能性も否定は出来ない(参照:「【どうぶつ救援本部不当訴訟】原告側が訴状を公開しました。」)
 山崎氏の活動はTNRでTNR+C(=ケア)ではないから、所詮、事実関係ははっきりしません。TNR活動はある意味、不適正譲渡より無責任な活動となりうる。

3(125頁) 『(公開質問状の抜粋部分)昨年4月1日~12月末までに自然死・病死以外の「麻酔薬の注射による安楽死処分数」が犬については52頭上がっていることから、既に殺処分」が再開されていた事が判明しております。(後略)』

 公開質問状は続いて、PJが”事実”と異なる広報をして大々的にふるさと納税や寄付を募ってきたと断定し、これを受けて新潮の記者は『「殺処分ゼロ」はとうに途切れていたのである。これでは、殺処分ゼロを更新すべくふるさと納税を募っている以上、”税金どろぼう”のそしりは免れえない』と”盗人”呼ばわりしているが、これは明らかな悪意による中傷であり名誉毀損の不法行為に当たる。
 殺処分と安楽死措置の違いは基本的な事なので、この部分で新潮を名誉毀損で訴えるのは公益的な意義が認められるだろう。
 動物福祉の観点から安楽死のコンセプトは確立されており、国際標準となるガイドラインも各国で作成されている。公開質問状を作成した人達も知らぬわけではあるまい。
 また、環境省もそろそろ、統計の致死処分の項目を「殺処分」の1項目から、殺処分と安楽死措置の2項目に分けて公開すべきであろう。 
関連記事

新潮のピースワンコ記事(2017年5月18日号)について①

 雑な記事である。
 記事の流れに沿って幾つか問題点を記す。
 
1(124頁) 『(前略)何とかして救えないか、と思うのが人情というものだ。
 そこに犬の救世主のごとく現れたのが「ピースワンコ・ジャパン」だった。(略東日本大震災後に始めたものだ。)』

 記事のとおり、ピースワンコ(以下PJという)が保護活動に参入してきたのは東日本大震災後である。
 当時は既に保健所収容動物の殺処分頭数削減の施策が制度化され、必要な法整備もされていた。
 動物愛護の国民的世論がそう望んだのである。
 PJは”ノーキル運動”には参加していない。今に至る経緯についてはPJの与り知らぬ事である。現行の社会制度に則って新規参入してきたにすぎない。

 ”ノーキル運動”は平成11年の動物愛護管理法の大改正前から徐々にうねりが強くなり、ピークに達したのは2005年前後だったと思う。”ノーキル”の大合唱に便乗し林俊彦@エンジェルズが、疑惑の広島ドッグパーク・レスキュー事件を起こしたのが2006年だった。このレスキューで林は巨額の寄付金をせしめ、一躍表舞台に躍り出た。レスキュー現場に集まったボランティアさん達が、林のレスキューの実態をインターネットで発信すると、名誉毀損で訴えると恫喝し”黙らせた”。林は以前から動物愛護業界で事件を起こしてきたし、詐欺等で複数の前科がある人物だった。

 チンピラ達は、『なんとかして救えないかと思う人情』を換金出来る現場が”動物保護活動”だとよく知っていたのである。
 また、それを許したのは、”ノーキル”のシングルイシューで結ばれた一般の愛護活動関係者達だった。

 (続く)
 
関連記事

武田弥生@全ての生命を尊ぶ会の告訴権濫用は不起訴処分の連続

 『【武田弥生@全ての生命を尊ぶ会】名誉毀損の濫用②鳥取地検と福知山区検の落差』の続報です。
 処分結果が出ました。不起訴処分です。
 最初は担当検事さんがちゃんと事件を調べないんじゃないかと危惧しましたが、適正な判断を下されたようです。
 弥生ちゃん、連敗記録をまた一つ更新。 

 これで武田弥生の1件は終了です。
 
 昔も今も好訴症的な人はいます。何らかの障害を抱えているのでしょう。
 
 町野さんたちは結局、何もしなかったそうです。意見書も提出せず逆告訴もせず口頭で反論しただけで、起訴処分になったらなったで略式を拒否し『裁判に持ち込むまでです』とおっしゃっていました。天晴れです。

 「神、天にしろ示す、全て世は事もなし」。
関連記事
プロフィール

チッチ

Author:チッチ
連絡先:℡:090-8609-3689(仲市) mail:anti_nuclear2011311@yahoo.co.jp
 *@を小文字に直してお使い下さい。
 
現在の閲覧者数:

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR