国内動物を対象とした狂犬病検査実施要領

 「【台湾の狂犬病】”自然は最大のバイオテロリスト”」 続報
 
 台湾が野生動物モニタリングで狂犬病発生を確認したのを受け、国内でも検査体制確立に向け動き出しました。
 日本の狂犬病対策は1947年に伝染病予防法に基づき狂犬病の患者届出制度が確立され、3年後の1950年に狂犬病予防法を制定(即日施行)。1957年のネコの発症例が最後で、それ以降国内での発生は確認されていません。野生動物モニタリングは今まで実施されなかったのですが、実施の方向で準備が進められています。

 「国内動物を対象とした狂犬病検査実施要領」がまとめられ、厚労省は各自治体に検査協力依頼を通知。
 猫は積極的な検査対象となっていませんが、必要に応じて検査を実施するそうです。

  厚生労働省から各自治体の衛生主管部(局)宛。
  平成26 年8月4日付け(健感発0804 第1 号)
  国内動物を対象とした狂犬病検査の実施について(協力依頼)

 鳥取県は検査実施機関が無く、どこに依頼するかも未だ決まっていない状態で、協議はこれからです。
 多くの自治体が同様でしょう。なんせ、狂犬病撲滅から57年が経過しています。

 狂犬病ウイルスはいつ侵入してきてもおかしくないし、すでに侵入し、私達の目の届きにくい野生動物の間で循環しているのかもしれません。ペットや野良犬、野良猫の発症は目につき易いので、人的被害を引起すリスクの高い媒体と言えますが、一方で人間社会に狂犬病ウイルスの侵入を警告する身近な存在でもあります。野生動物と人間社会の間で”緩衝帯”みたいな役割も果たしていて、緩衝帯の清浄化には成功しましたが、その先に広がる奥行きの深い野生動物の世界ではどうなのか?モニタリング結果が出るのは未だ先になります。

 こうして見ると、狂犬病ウイルスも生態系の一員で生き残りを賭けていますが、それが人間社会に侵入しないよう、何重にもサーベイランス体制がとられ、私達は守られている。社会に生きる恩恵を感じますね。



 産経新聞「狂犬病はなくなった? 厚労省が初の野生動物全国調査を開始

 毎日新聞「狂犬病:厚労省 野生生物の感染有無調査を自治体に通知
 2014年08月12日19時00分

 国内で半世紀以上も発生報告のない狂犬病について、厚生労働省は、野生生物の感染の有無を調べる方針を決め、自治体に検査の実施要領を初めて通知した。日本と同様に感染例のなかった台湾で昨年、イタチアナグマの狂犬病流行が確認された。日本でも万が一に備え、検査体制を整備することにした。

 日本は世界でも数少ない狂犬病の清浄国(リスクのない国)で、ヒトでは1956年、動物では57年以降、感染報告がない。そのため自治体によっては狂犬病の検査体制がなく、疑いのある動物を検査した場合に国に報告する義務もなかった。

 一方、61年を最後に報告のない台湾では、十数年前から積極的な検査を進め、昨年7月に野生のイタチアナグマの感染を確認した。台湾の政策について、日本の厚労省は「犬には感染が広がっていないなど流行の実態を把握し、山間部の住民へのワクチン接種も進んだ」と評価する。

 そこで、厚労省は自治体向けに検査の実施要領を作成。人をかんだり異常行動を起こしたりして、捕獲・殺処分された犬や身近なアライグマ、タヌキ、アカギツネなど9種を優先検査し、その結果を毎年報告するよう求めた。感染症法に基づく検査手続きを取れば、国から半額の補助が出るという。

 狂犬病は狂犬病ウイルスを持つ犬などの動物にかまれて感染する。初期には発熱が見られ、全身まひなどを起こし、最終的に呼吸障害でほぼ100%死亡する。世界保健機関(WHO)によると、年間の死亡者は約6万人。日本で人を含めワクチンの接種は任意で、登録されている飼い犬約650万頭の3分の1が受けていない。【清水健二】



参照:準拠する法令
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
(感染症の発生の状況、動向及び原因の調査)
 第十五条  都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
 2  厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
 3  一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者は、前二項の規定による質問又は必要な調査に協力するよう努めなければならない。
 4  第一項及び第二項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 5  都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により実施された質問又は必要な調査の結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
 6  都道府県知事は、第一項の規定を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事又は厚生労働大臣に感染症の治療の方法の研究、病原体等の検査その他の感染症に関する試験研究又は検査を行っている機関の職員の派遣その他同項の規定による質問又は必要な調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
 7  第四項の規定は、前項の規定により派遣された職員について準用する。
 8  第四項の証明書に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

*(定義) 第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
 狂犬病は「四類感染症」に分類されています。



地方自治法
(技術的な助言及び勧告並びに資料の提出の要求)
第二百四十五条の四  各大臣(内閣府設置法第四条第三項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣又は国家行政組織法第五条第一項に規定する各省大臣をいう。以下本章、次章及び第十四章において同じ。)又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関は、その担任する事務に関し、普通地方公共団体に対し、普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは普通地方公共団体の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。

 2  各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県知事その他の都道府県の執行機関に対し、前項の規定による市町村に対する助言若しくは勧告又は資料の提出の求めに関し、必要な指示をすることができる。

 3  普通地方公共団体の長その他の執行機関は、各大臣又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関に対し、その担任する事務の管理及び執行について技術的な助言若しくは勧告又は必要な情報の提供を求めることができる。

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