マイクロチップ装着と飼主情報の一元管理(AIPO):ペットの戸籍とトレーサビリティ担保

 【ペットの個体識別】マイクロチップ装着がペットの個体識別に今後、主流となります。
 マイクロチップ装着と登録は、飼主を特定出来るだけでなく、個体の市場流通や保護活動現場におけるトレーサビリティを担保するのに大きな役割を果たすことが見込まれ、普及へ向けた取組みや法制化が本格的になりました。
 千葉県は県条例で明文化し、環境省は動物愛護と管理法で明文化することを検討しています。

 ペットの戸籍(ペットの飼主、事業者の特定)は、飼主の個人情報を含むため、信頼できる機関が一元管理する事が必須。日本では既にAIPOが設立されています。

 個人事業主の事業展開には迂闊に乗らないよう注意が必要です。鳥取共生動物市民連絡協議会では、「個人のプラバシーと飼養動物の個体識別情報」について、講演会を準備中です。

 参考:HOSHI FAMILYの「エンゼルチップ」はスルー、スルー、スルー



ペットにチップ 遺棄防止へ
読売新聞 2014年09月15日

 犬猫などのペットの体内に埋め込み、飼い主情報が瞬時に読み取れるマイクロチップが広がりつつある。
 チップ装着により迷いペットの殺処分が減り、無責任な遺棄も抑止できると期待されており、環境省では義務化の検討を始めた。ただ、チップの存在自体があまり知られておらず、普及率アップやデータ管理などの制度整備が課題となりそうだ。

登録は98万件
 東京都内の動物病院の診察台で、獣医師の元井宏行さん(56)が犬の首の後ろに円形のリーダーをかざすと、「ピッ」と音がして、リーダーの液晶部分に、飼い主の住所や連絡先が登録された15桁の番号が表示された。

 犬の飼い主の小島昇子さん(56)は、3年前に同病院でチップを装着してもらった。「迷子になるかもしれないので、付けておくと安心です」と話す。

 マイクロチップは、ガラスなどの小さな筒状の容器に入った記憶装置で、直径2ミリ、長さ12ミリほど。専用の注射針にセットし、動物の皮下に注射して埋め込むため、外見からは全く分からない。「装着は一瞬のうちに終わるので、鳴き声を上げたりするケースはあまりないんです」と元井さんは言う。

 チップには番号が記憶されており、動物病院や保健所などにあるリーダーで読み取る。番号ごとに飼い主の情報をデータ登録機関に事前に登録しておき、番号を照会すると飼い主情報が特定できる仕組みだ。

 登録情報を主に管理しているのは日本獣医師会や日本動物愛護協会などからなる「動物ID普及推進会議(AIPO)」。AIPOによると、登録数は2007年度の13万件から13年度末は約98万件と7倍以上に増加している。昨年はチップの照会で飼い主が見つかったケースが150件あったという。

義務化を検討
 マイクロチップが注目を集める背景には、動物の殺処分の多さがある。
 環境省の調査では、年々減少傾向にあるものの、12年度の犬猫の殺処分は16万匹を超え、保健所などに引き取られた犬猫の約77%が殺処分されている。

 保健所が引き取った後にチップで飼い主を特定できれば、殺処分を減らすことができる。災害時などに行方不明になったペットも見つけやすくなる。また、チップ装着で飼い主に責任感と自覚が生まれ、無責任な飼育や遺棄を抑止する効果もあると期待されている。

 AIPOによると、実際に、遺棄された犬にチップが埋め込まれていたため、飼い主が特定された例もあるという。

 チップ装着はスイスやフランスなどでは、すでに義務化されている。日本では今のところ任意だが、環境省では義務化の是非に向けた検討を行っている。今秋から「殺処分ゼロ」を目指すモデル事業の一環として、チップを使う事業を選定する見込みだ。



【千葉県】犬猫引き取りワースト3位の県、条例を制定へ
読売オンライン 2014/9/27

 千葉県は犬や猫などのペット保護のため、新たに県動物愛護管理条例を制定する。
 県議会9月定例会に条例案を提出し、可決される見通しだ。

 2012年、捨てられたり、飼い主が飼育できなくなったりして県が施設で引き取った犬、猫の数は都道府県でワースト3位。条例で飼い主の責務を明確化することで捨てられるペットを減らし、汚名返上を目指す。

 県は犬に限った「犬取締条例」を1968年に制定したが、ペット全般を対象にした条例はなかった。政令市の千葉市、中核市の船橋、柏両市では既に制定されており、都道府県で未制定なのは5県となっていた。県の愛護条例は、制定済みの県内3市以外で適用される。

 県が12年、県動物愛護センター(富里市)などで引き取った犬は2764匹、猫は3739匹で、いずれも全国ワースト3位。安易に飼い始めた末に、手放す飼い主が多い。

 このため、条例案は動物の「適正な管理」に重点を置いた。5月に公表した骨子案に対し、県民から「最期まで飼い続けることを飼い主の責務にしてほしい」との要望が多く寄せられ、「飼う前に将来にわたって飼い続けられるか判断する」と、飼い主の心構えを明文化した。

 飼い主の努力義務として、飼い主の名前や連絡先を示す名札を付けさせたり、ペットの皮膚に個体識別番号を記録した「マイクロチップ」を埋め込んだりすることも明記した。逃げたり、捨てられたりしても、飼い主を特定できるからだ。県によると、マイクロチップの規定を条例に盛り込むのは全国的に珍しい。

 県衛生指導課は「新たな条例案だからこそ、最新の技術を反映させることができた」と明かす。

 1人で何匹も飼育し、鳴き声などを巡って近隣住民とトラブルになる例も相次いでおり、猫と犬を計10匹以上飼う場合、県への届け出義務も新たに課す。同課は「ペットが子どもをたくさん産み、飼い主が管理しきれなくなって病気や飢餓状態になる例もあった。届け出を受ければ、定期視察などの対策も可能になる」と説明している。

 罰則は、犬取締条例より強化。10匹以上の飼い主が届け出をしなかった場合は5万円以下の過料、犬を正当な理由なく放し飼いした場合は30万円以下の罰金。県は県警などと連携し、情報収集などを行う方針だ。

 条例制定を求め、署名活動をしてきたNPO法人「地球生物会議ALIVE」の小沢利子さんは、「民間保護団体の活動の後ろ盾にもなる」と、条例案を評価する。一方で、求めていた野良猫対策は具体的に盛り込まれておらず、「野良猫に去勢手術をし、地域住民らが共同で飼育する『地域猫』の推進も考えていくべきだ」と指摘した。(服部有希子)



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