【保健所法定業務の致死処分】代行業者の裏稼業

 余剰動物を委託業者に丸投げするのは、動物園も繁殖業者もやってきた。レスキュー回数(”仕入れ”はまとまった支援金が当てこめる)を増やすために、悪質な保護団体はキャパを省みず収容しては直ぐに他団体に回す。保護活動の”流通過程”で死んでいく個体もある。愛誤は無意味に保護動物をグルグル回し虐待している。闇の中で命を落とす動物は多いのである。正確な数字は表面化しない。隠されるからだ。
 
 保健所の法定業務である、犬猫引取業務の定義が変わり、無条件に引取らなくなった事の意義は確かに大きい。一方で、少し先を考えると、処分の委託業が表立って登場してくる懸念がある。裏稼業だったものが商売として、公然と認められる成り行きになるかもしれないのである。その時、参入してくるのはどういう人達だろう?
 今回、自首してきた犯人は、社会の認知しない裏稼業が違法と認定され逮捕されたのだが、需要のあるところ、ビジネスは発生する。これを止めることは難しい。

 1990年代、公益社団法人日本動物福祉協会阪神支部(支部は法人格を持たない別組織である)が、運営していたシェルターで安楽死処分を実施し、不当なバッシングを浴びた事がある。支部関係者は一様に深く傷ついたのである。趣旨としては、当時の劣悪な保健所収容施設の状況を傍観するのは耐え難いとして引取数を増やし、安楽死処分を代行したのであり、そこに嘘偽りはなかった。

 致死処分は一部やむを得ないという認識が社会にはある。健全な保護活動家の間で、その認識は広く共有されていたのだが、愛護団体が致死処分を保健所に代わって代行する事に疑問を持つ人も多かった。
 阪神支部はピーク時には年間1万頭を引取っていたから、「致死処分業務代行」と言われても仕方ない。ここに引っかかるものを感じた人は多かったのである。動物愛護団体がこういう先例を残す事が、将来的に何にどう繋がっていくのか、漠然とした懸念を抱いた。安楽死処分そのものは肯定する人達が、阪神支部を非難もしないが積極的に擁護もしない態度を保留したのは、そういう理由からである。

 今回の事件は、そういう懸念を思い出す良い機会である。
 社会は致死処分を必要とする。生かすキャパが無いからだ。 
 保健所法定業務の定義を変え引取範囲を縮小したのなら、個人飼主や業者や非営利保護団体に、獣医師による安楽死処分を所有者責務として動物愛護管理法で明文化したほうがいいのではないか?自分の金でやんなさいという事だ。
 金額や使用薬剤も指定し、ガイドラインを作成し違反には罰則をつけたほうがいい。私は儲けの多いワクチン料金設定には反対しないが(これ以上は高くしないでね♪)、安楽死処分は適正料金の規定が必要だろうと思う。安楽死処分で儲けようという考えは排斥してかからねばなるない。
 法律が変われば、獣医師の意識は変わるし、治療通院もしない一見さんの安楽死処分は引き受ける必要はない。

 今回の事件で、私はそんな事を考えさせられた。
 裏稼業が市民権を得て堂々と表立って商売を展開する前に、議論を詰めていく必要がある。
 くれぐれも後追いの形にならぬよう!


「犬引き取りで100万円受領」 大量遺棄事件の容疑者
朝日新聞デジタル 11月20日
 
 宇都宮市内で犬72匹の死体と生きた犬8匹を捨てたとして、動物愛護法違反と廃棄物処理法違反などの疑いで逮捕された元ペットショップ店員の木村正樹容疑者(39)=那須塩原市共墾社1丁目=が、栃木県警の調べに「犬の引き取りで100万円を受け取った」と話していることが、捜査関係者への取材でわかった。

 木村容疑者は愛知県のブリーダーから犬80匹を引き取っている。県警はこの取引の報酬として100万円を受け取ったとみて、犬が死んだ経緯や死体を捨てた動機などを調べている。


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