【邦人人質事件】無責任な「自己責任論」について

 「自己責任論」が毎回、無責任に飛び出すが、自己責任の概念は大昔に(私が知っているのはアリストテレスの時代だけれど)確立され、現代まで継承されている概念であって、立法の分野においてキレイに使われている。刑法で「故意か、過失か、はたまた計画的か」という区別をするのは、自己責任の概念を使っているのである。

 私が言いたいのは、「自己責任」は安易に、個別の事例に”都合の良い”使い方をしていい概念ではないという事だ。この事は強調したい。後藤さん、ご本人が「自己責任」の言葉を使うのはよい、それは個人の覚悟を表現する言葉だ。社会的、政治的な事件について、社会が、第三者が、安直に使う概念ではない。

 報道される後藤さんのお人柄は、素直にこの人にこんな事で死んで欲しくないと思わせる。
 後藤さんは前にも1度、拘束された湯川さんを解放させ、湯川さんに忠告もしていたらしい。湯川さんはその忠告を上手く消化出来なかった。そして再び紛争地に入った。英語もろくに出来なかったらしい。湯川さんがイスラム国に囚われ、政府が何の対応もしない中、後藤さんは湯川さんの救出に向かった。湯川さんを知っているだけに、ほっておけなかったのだろう。私なら「二度目は知らん!」と切り捨てるところだ。でも後藤さんは湯川さんを切り捨てなかった。ならば、私達も見捨ててはいけない。お二人を紛争地域に向かわせた内面動機はまったく異なる。往々にしてその違いが、関係を断ち切ってしまうものだが、後藤さんは人間的な人だなと感じ入る。報道によれば後藤さんはプロで、無謀な事をする方ではないのである。世界中から見離された状況の湯川氏は、後藤さんと再会出来た事で人間らしい心地を取り戻したに違いない。気にかけてくれる人がいる事で、人は人でいられる。

 お二人とも政治的な関係者でも戦闘員でもないことは明らかだ。それがイスラム国に伝わっているとしても、今までの例を見るとテロリストは頓着しない。
 日本政府は中田氏の具体的な提案を検討しているのか?非常に良く考えられた提案だと思う。
 【全文】「72時間は短すぎる。時間をもう少しいただきたい」〜イスラーム法学者・中田考氏がイスラム国の友人たちに呼びかけ
 政府は後藤さんと湯川さんを見殺しにしてはいけない!金を払うと今後テロ対象の頻度が増える?もっともらしい風評を裏付ける根拠となる事実はどこにある?私の知る限り(大して詳しいわけじゃないですが 汗)ありゃせんぜー!一方で、日本が集団的自衛権を行使するようになれば、、テロ対象国になるのは確実である。あまりいい加減なデマ飛ばすなよと言いたいのです。

 アルジャジーラ衛星放送で、日本政府が金は払わない、テロリストの要求には応じないと言明したと流しているそうだが、本当か? 
 アルジャジーラ放送はこちら
 ツイッターはこちら
 日本政府の国内向けと国外向けの二枚舌の使い分けは、過去にも事例があるので疑心暗鬼になっちゃう!...
 指定された期限は過ぎたが、未だ悪い知らせは出ていない。お二人が無事であり、イスラム国が交渉に応じてくれることを祈る。松村直登さんを取材してきた原田さんが中東に飛んでいる、後藤さんとお知り合いらしい。原田さんのご無事も祈るのみ。
 ・・・それにしても、私たち日本人は今までイスラムの世界や中近東に住む人々の事を知らなさ過ぎた。
 紛争が長く続くと、こちらも疲れてしまって、紛争の絶えない地域としか見なくなる。巻き込まれる可哀想な一般市民と、戦争を止めない人達しか見えなくなる。こうしてイスラムの世界は遠くなり、そこに居る人間が見えなくなっていく。今回の事件で、個人的にはそれを反省するところがあった。皆さんはどうですか?

【追記】FB「 I AM KENJI 」が開設されました。皆様の投稿をどうぞ!
 参照:「I AM KENJI」後藤健二さんらの解放呼びかけるFacebookを開設:『 FBを開設したのは『ニューヨーク在住の映像制作会社代表、西前拓さん。後藤さんとは10年以上も親交があるという。西前さんは後藤さんとの連帯感を示そうと「I AM KENJI」と書かれた紙を掲げた写真を掲げて、後藤さんらの解放を呼びかけた。』

 最後に「Islamic Center Japan」さんが公開した声明文を転載しておく。


 イスラミックセンタージャパンは、2人の日本人の人質を殺害するというイスラム国の脅迫に対して、抗議します。

(2015年1月22日 東京にて)
 イスラミックセンタージャパンは、2人の日本人の人質、後藤健二さんと湯川遥菜さんを殺害するというイスラム国の脅迫に対して、抗議します。イスラム国は数カ月に渡り、彼らを人質として拘束しています。

 我々は、イスラム国が重大な過ちを犯しているとみなしています。そして、イスラム国が良識的な意見に耳を傾け、人質を即座に且つ無条件で解放するように要求します。

 上記を主張するにあたり、以下の様な理由が挙げられます。
 ・日本は、パレスチナとイスラエルが紛争をしている際に、パレスチナに対して支援をする等、多くの場面において、相対的に公正な立場をとってきました。欧米社会から激しい圧力があったにもかかわらず、日本は長年このような公正な姿勢を貫いてきました。

 ・日本はパレスチナにとって、最大の援助国です。ガザ地区、及びヨルダン川西岸地区において、数多くの復興プロジェクトを実施してきました。それらは、日本政府及び日本の団体からのみの資金援助によりなされてきたのです。

 ・日本では、我々イスラム教徒は平和的に過ごしています。欧米諸国で見受けられる様な、イスラム教徒に対する差別やハラスメント、そして屈辱を受けるといったことも、日本ではありません。ヒジャーブ(頭につけるスカーフ)やニカーブ(目以外を覆い隠す格好)をしたイスラム教徒の女性に対して、危害を与えるといったような事例は一つもありません。

 ・日本にいるイスラム教徒は自由に宗教活動を実践しています。モスクを建てたり、イスラム教の啓蒙活動を行う際に、政府から干渉を受けることもありません。

 ・しかし、おそらく最も重要な理由は、日本はイスラム国を含め、いかなる国に対しても宣戦布告をしない世界で唯一の国であるということです。なぜならば、日本の領土が侵された際の自己防衛の場合を除いて、いかなる軍事活動も、憲法によってはっきりと禁止されているからです。

 ・よって、日本の首相は「テロと戦う為」に2億ドルを拠出することを表明しましたが、決してイスラム国に対する軍事的行為を支援するものではありません。その2億ドルの支援金は、長期の紛争によって住む所を失ったシリアとイラクの難民を支援するためのものだと、すでに計画されていました。日本社会そして日本のメディアも、今では、支援金を言い表すのに、首相は「テロとの戦い」という言葉を使うべきではなかったと認識しています。なぜなら、その支援金はテロとの戦いの為ではなかったし、そのような目的の為には支援金を使えないからです。

 一方で、我々イスラミックセンタージャパンは、イスラム国に対して警告します。日本人2人の人質を殺すことで、日本人のイスラムに対するイメージ、そして日本に住んでいるイスラム教徒に、とても大きな影響を与えることでしょう。このような影響に対して、我々は全能のアッラーの前で、イスラム国が責任を負うべきだと主張します。なぜなら、日本人の人質を殺すことについて、いかなる弁解の余地もなく、正当性もないからです。

 人質の殺害は、コーランの教えにも反します。アッラーが、コーランのAl-Mumtahana(試問される女)章8節で述べられています。
 「アッラーは、宗教上のことであなたがたに戦いを仕掛けたり、またあなたがたを家から追放しなかった者たちに親切を尽くし、公正に待遇することを禁じられない。本当にアッラーは公正な者を御好みになられる。」
 従って、我々イスラミックセンタージャパンは、ただちに、そして無条件で人質を解放するように、重ねてイスラム国に要求します。

                        イスラミックセンタージャパン


 
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