【佐上邦久 vs. 鳥の広場】"親友"、宮崎学とは

佐上の控訴理由書3頁
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 控訴答弁書5~6頁で簡単に反論しましたが、宮崎学について少し書き足しておきましょう。

 宮崎氏の一連の著書によると、父親は寺村組という暴力団組長で、解体業「寺村建産」を経営していた。組員=事業の子方、親分=経営者という構造です。宮崎氏が70才で、その親の代ですから昔の話です。ヤクザも時代の変遷につれて形態が進化し、今でいう「フロント企業」と若干異なり、幸村組=解体業「寺村建産」で、親分(親方)子分(子方)は「生活共同体」の側面が強かったと、宮崎氏は記述している。

 宮崎氏には13歳年上の兄がいて、ヤクザになった。母親はヤクザの姐さんなのですが、ヤクザを嫌って、次男にはヤクザになるなと言い聞かせ、共産党員の大学生の家庭教師をつけ勉学の後押しをした。
 両親は戦前戦中の苛烈な共産党弾圧を知っていたから、共産党を高く評価していた。ヤクザに通ずる「覚悟」を見ていたんでしょうね。共産党が武力革命を肯定していた時代です。

 おそらく、長兄と次男の幼年時代の家庭環境は異なっていたのでしょう。父親は1948年の福井大地震で一財産築き、豪邸を建てた。1945年生まれの次男が物心ついた時には宮崎家は裕福になっていて、次男坊は「ぼん」の暮らししか知らなかったらしい。小学校にあがって、そこを支配する「社会規範」に馴染めなかったにせよ、宮崎氏は「共同体」において、とりわけ母親との絆において自己肯定感を損なうことなく成長したようです。これは大事なことですね。
 
 兄は寺村建産を継いだ。業界も時代の波で進化し寺村建産はどんどん社会の片隅に追いやられ、経営が傾くと宮崎氏は1975年に寺村建産の常務取締りに就任しています。
 寺村建産は暴力団企業です。
 『寺村建産の従業員の多くは寺村組の組員でもあった。(2014年刊行 突破者外伝 100頁)』
 また、宮崎氏はお兄さんが殺人の共同正犯であった事をカミングアウト(同著87頁「自首した舎弟」、1996年刊行「突破者」71頁)しています。
 

 1964年12月、寺村組は、全国制覇の過程で京都に手を伸ばしてきた山口組と抗争状態に入った。(中略)
 このとき、私の兄貴と舎弟の前原が二人で、山口組の組員の男を殺した。兄貴が男を羽交い絞めにして、「いてまえ」と促し、そこを前原が刺して殺した。完全な共同正犯である。
 すぐに子分全員が集まって、事後処理を相談した。その結果、前原が罪を全部かぶって刑務所に行くということで一決した。前原は、「わかりました」と一言いうと、すぐに自首した。

* 「突破者」では兄と従兄の寺村稔が実行犯となっている。公訴時効改正前の殺人罪の時効は25年。「突破者」刊行時には、時効が過ぎていた。
 
 宮崎氏の一連の著作は、ヤクザや裏社会の告発の書ではない。
 足を洗った人間の回顧録でもない。
 きわどい話は幾らも出てきますが、表社会に裏社会を売るような真似もしていない。
 第一、そんな真似をすれば、消されてしまうでしょう。
 宮崎氏はあくまでも、自身が依拠する裏社会の利害を守り抜く立場にある。

 宮崎氏は正体を偽らぬ点、ましですが、「歪んだ被害者意識」はいただけない。 
 その被害者意識は「ハン」である。 
 小倉紀蔵氏によれば、
 『「恨み」は相手に対して抱くものだが、「ハン」は多くの場合、自己の中で醸すものである。
 この「ハン」を成立させている情動は、「あこがれ」だと私は思う。自分にとって理想的な状態、あるべき姿、いるべき場所・・・さまざまな理由で、そういうものから離れてしまっている、そのときに、韓国の人は「ハン」を心の中に積もらせる。つまり、理想的な状態、あるべき姿、いるべき場所への「あこがれ」と、それへの接近が挫折させられている「無念」「悲しみ」がセットになった感情が、「ハン」なのである。』
 韓国語には「あこがれ」という固有語がない。「憧憬」という漢字語を使用している。「あこがれ」という重要な固有語が存在しない理由は、この「ハン」という言葉が「あこがれ」の意味を兼ねているからに違いない。』
 また、小倉は金烈圭氏(韓国文学)を引用し、
 「ハン」には「白い恨」と「黒い恨」がある(『韓国再発見』、朝日新聞社)。「白い恨」は、「ある怨みが心に重なって自分が傷ついた場合、それを絶対に第三者に移さないようにする恨」、「黒い恨」は、関係のない第3者にまで怨みを移す

 ヤクザな人間とは「黒い恨」に生きる人である。
 そういう人はつきあいにくい。
 最初から最後まで話はかみ合わない。
 次のような記述を見ると、その原因の一端が分かる気がする。 

 俺は、「私はきれいです」「私たちは正しい」と思い込んで、あるいは思い込もうとして、それを維持するために、「あなたたちは汚い」「あなたたちは悪い」といって、俺たちを排除し抹殺しようとする市民の論理に抵抗する。その抵抗には、「おまえだって汚いじゃないか」「おまえだって悪いじゃないか」という事実を暴露して、そいつらの論理の虚構を暴露するゲリラ活動が含まれる。
 そういう喧嘩の仕方を、俺はずっとしてきた。(中略)俺は、汚いとか、邪だとかいわれてもかまわない。(略)こっちの土俵での喧嘩に持ち込むんだ。 ( 続・突破者 129頁)


 つまり俺の「黒い恨」につきあえってか?
 ケンカするよりカウンセリングでも受けたほうが宜しかろう。
 「黒い恨」は取り合いようがないのである。
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