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ドイツの「繁殖衛生という概念」


 京子アルシャー氏の「繁殖衛生という概念」で、ドイツの「スイス・マウンテン・ドッグ協会(Schweizer Sennenhund Verein für Deutschland e.V.)」の取り組みが紹介されています。

 協会はバーニーズ・マウンテン・ドッグの犬達の平均寿命の短さを問題視し、先ず全会員にアンケート調査を実施する事から始め、死因の8割がガンである事をつきとめ、また同時に1頭のチャンピオン犬の遺伝子の拡散率の高さに警告を出す等の経緯を経て、2004年に繁殖犬の交配制限や次世代犬の検査判定などを含む新しい繁殖衛生の規定を確立し、新規定ではアウトクロス(両親犬あわせて3代前までの14頭が全て異なる交配)が主流となっているそうです。


 
 犬を含む家畜の繁殖には、「繁殖衛生」という概念がある。

 この言葉は、そもそも感染症予防のための衛生管理に使われていた言葉で、これまでの犬の繁殖時の衛生概念では、寄生虫やブルセラ症など犬の交尾や出産を通して寄生虫や細菌類が伝搬されることを防ぐものであったが、実は、いまやこれらは英語圏を中心とした国々での概念でしかない。

 ドイツ語圏では、これら感染症は繁殖衛生ではなく母犬の通常の健康管理の一部となり、この10年ほどはむしろ股関節形成不全(HD)や肘関節形成不全(ED)、進行性網膜萎縮症(PRA)など、遺伝子の異常によって次世代に伝搬する類いの疾患や血縁の濃さによる疾患などがその意味に取って代わった。つまりこの「繁殖衛生」という言葉は、ドイツ語圏においてその概念の中心に繁殖を通して伝搬する疾患全般の予防を意味するようになったのである。

 (中略)
 
 ブリーダーにとって「繁殖衛生」はその名に関わる重要な課題であり、そのため先進諸国の犬種クラブに属するブリーダー達は、協力し合いながら情報収集と対策の実践を行っている。日本でも繁殖衛生について、犬種の将来を真面目に考えるいくらかのファンシャーブリーダーは、当然意識している。



 日本の動物愛護と管理法も、こういう基本概念に基づく法改正が行われる事が望ましいのですが、未だ対処療法的な法規制の手法で来ているように思います。
 昨年改正された「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則」でも、『第五条  法第九条第一項の環境省令で定める目的は、次に掲げる目的とする。』で『五  養殖している鳥類の過度の近親交配の防止』が盛り込まれていますが、具体的なアウトクロスが規定されていません。
 ここらあたりが歯痒い点ですね。

 消費者保護の観点からも「繁殖衛生」の概念は法令に反映されるべきですし、優良ブリーダーが商業的にも優位に立つよう消費者も賢くならないといけないですよね。よい芽は育つよう、悪い芽は摘み取るよう、双方向性の取組が必要なのだろうと思います。

  
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